業界トピックス

【具体例付き】法務職採用担当が注目する法務職務経歴書の秘訣

目次
  • 職務経歴書の構成と、法務職ならではの注意点

  • 職務経歴書を「通る書類」に仕上げる4つの視点

  • まとめ|職務経歴書は「書く技術」で印象が変わる

  • 法務部員として転職を検討しているあなたへ。

    「職務経歴書を書くのがとにかく面倒」「自分の強みがうまく言語化できない」「何を書けば“法務らしさ”が伝わるの?」そんな悩み、お持ちではありませんか?
     
    法務職は専門性が高く、実績もスキルも伝わりにくいのが難点。でも、逆に言えば「伝わる職務経歴書」が書ければ、書類選考の通過率はぐっと上がります。
     
    この記事では、法務職に特化した職務経歴書の書き方を、サンプルとともに丁寧に解説。よくあるミスや、読み手に刺さる自己PRの書き方も紹介します。
     
    今すぐ転職予定がない方も、“いつかのための準備”としてぜひお役立てください。

  • 職務経歴書の構成と、法務職ならではの注意点

  • 法務職の職務経歴書では、業務の専門性をいかにわかりやすく伝えるかが重要です。以下の構成に沿って記載することで、読み手に内容が伝わりやすく、評価されやすい職務経歴書になります。

  • ■職務概要の書き方|法務経験を2〜4行で伝えるコツ

  • 職務経歴書の最初に記載する“職務概要”は、いわばプロフィールの要約です。これまでどんな組織で、どのような法務業務を経験してきたか、端的にまとめましょう。
     
    【記載のポイント】
    ・現職または直近の職務内容を中心に構成
    ・強みとなる経験・実績(件数など)を簡潔に
    ・応募先との関連性が強い業務を選んで書く
     
    【記載例】
    〇大学法学部を卒業後、上場メーカーの法務部にて契約書レビュー・社内規程整備・内部統制等に5年間従事。年間契約書レビューは約300件(英文2割)で、M&Aや株主総会対応にも携わる。

  • ■職務経歴詳細(組織単位/カテゴリ別に記載)

  • 続いて、職務経歴の詳細を書いていきます。ここでは「具体的に何をしてきたか」が伝わるように、業務内容や実績を丁寧に整理しましょう。
     
    ・原則、新しい順で記載(過去→現在ではなく、現在→過去)
    ・経歴が多い場合は、業務内容ごとのカテゴリ別で整理してもOK
    ・所属組織の説明は必要最低限に:
       企業:上場・従業員数・所在地・業種・売上など
       法律事務所:弁護士数・クライアント比率・規模など
    ・業務内容には“件数・割合”などの定量情報を必ず入れる
    ・チーム内でのポジション(リード/サポート/単独対応)も明記すると効果的
     
    【記載例】
    ■株式会社○○(2020年4月〜現在)
    上場IT企業/従業員数500名/東京都渋谷区/売上高200億円
     
    <業務内容>
    ・契約書レビュー:月平均30件(販売契約60%、業務委託30%、秘密保持10%/英文契約2割)
    ・社内法律相談:月平均15件(営業・人事・総務各部門より)
    ・株主総会運営:議案作成、招集通知レビュー、当日運営サポート(リード担当)
    ・コンプライアンス研修:年2回実施、全社員向け資料作成・講師対応

  • ■法務職の資格・語学力|効果的なアピール方法

  • 法務職で意外と差が出るのがこのパートです。「資格は持っていないから」と空欄にしてしまう人もいますが、スキルを見せるチャンスなので、必ず何かしら書きましょう。
     
    【記載すべき項目】
    ・司法試験関連:短答式合格、順位、予備試験、ロースクール修了など
    ・語学力:TOEICスコア、TOEFL、英語契約書の取扱い経験
    ・その他資格:ビジネス法務検定、知的財産管理技能検定、個人情報保護士など
     
    特に司法試験合格歴や語学力は、応募先によっては高く評価されます。
     
    【記載例】
    ・司法試験短答式試験合格(2018年)
    ・ビジネス実務法務検定2級(2019年)
    ・TOEIC 850点(2023年)

  • ■法務職の自己PR例文|採用担当者に刺さる書き方とNG例

  • このパートは多くの人が迷うところ。でも、法務職には法務職なりの“よく刺さる”アピールの型があります。
     
    【伝えるべき要素】
    ・自分の強みが業務にどう活かされているか
    ・応募先での貢献がイメージできる内容
    ・数字や具体的な経験をもとに説得力を持たせる
    ・自己分析の結果をもとに構成する(→自己分析ツールなどのリンクを活用)
     
    【法務職でよく評価される自己PR例】
    ■「ビジネス伴走型の法務」をアピールする場合
    <NG例>
    「ビジネスに寄り添った法務を心がけています」
     
    <OK例>
    「営業部門との月次ミーティングを主導し、契約前段階から商談に同席。法的リスクを踏まえた代替案を提示することで、年間約50件の契約締結をスムーズに実現しました。また、事業部門が『相談しやすい法務』を目指し、社内チャットでの即時対応や、営業向け契約書チェックリストの作成など、業務効率化にも貢献しています」
     
    ■「処理スピード・正確性」をアピールする場合
    <NG例>
    「契約書レビューが得意です」
     
    <OK例>
    「定型契約については社内テンプレート整備により平均処理時間を3日→1日に短縮。非定型案件も48時間以内の初回レビューを徹底し、事業部門から『相談しやすい法務』と評価されています。また、過去5年間で300件以上のレビュー実績があり、高速かつ正確な対応を強みとしています」
     
    ■「交渉力・調整力」をアピールする場合
    <NG例>
    「交渉が得意です」
     
    <OK例>
    「大手取引先との基本契約改定交渉において、自社リスクを最小化しつつ、相手方の懸念にも配慮した条文案を提示。3か月にわたる調整の末、双方納得の契約締結に成功しました。社内では営業・開発・経営企画など複数部門との調整役を担い、ステークホルダー間の利害調整にも貢献しています」
     
    ■「向上心・キャッチアップ力」をアピールする場合
    <NG例>
    「向上心があります」
     
    <OK例>
    「知的好奇心が強く、改正個人情報保護法や経済安全保障推進法など、法令アップデートを業務に即座に反映。未経験業務であったM&A案件についても、自主的に書籍・セミナーで学習し、3か月でデューデリジェンス業務の主担当を任されるまでキャッチアップしました」
     
    ■「相談しやすい法務」をアピールする場合
    <NG例>
    「社内の人と良好な関係を築いています」
     
    <OK例>
    「法務への相談ハードルを下げるため、各部署向けに『こんなとき相談してください』事例集を作成。月1回の法務相談会も開催し、年間相談件数が前年比150%に増加。早期相談により重大リスクの事前回避にも成功しています」
     
    ■「英文契約対応力」をアピールする場合
    <NG例>
    「英語ができます。TOEIC850点です」
     
    <OK例>
    「英文契約書レビュー月平均10件(NDA、販売契約、ライセンス契約)を担当。海外ベンダーとの直接交渉も英語で実施し、不利な条項の削除・修正に成功。TOEIC850点に加え、実務での英文契約ドラフティング経験3年あり」
     
    【自己PRで避けるべきNGパターン】
    ・「○○力があります」だけで終わる(→どう活かされているかを書くべき)
    ・学生時代の話を書く(※少しでも職歴があるなら業務ベースで書くのがよい)
    ・他職種でも通じるようなぼんやりした話(→法務らしさを出した方がベター)
    ・根拠のない抽象的な表現(「頑張ります」「努力家です」はNG)

  • ■補足事項の書き方|ブランクや雇用形態の説明

  • 補足事項は必須ではありません。でも、書いておいた方が「変な誤解を防げる」ケースがあります。
     
    【補足記載が推奨されるケース】
    ・ブランク期間がある(育児・介護・留学・療養など)
    ・時短勤務、派遣、契約社員など通常と異なる雇用形態
    ・会社都合による退職(リストラ、吸収合併など)
    ・副業・業務委託として働いていた場合
     
    補足はあくまで簡潔に。余計な言い訳ではなく、「前向きな説明」を心がけましょう。
     
    【記載例】
    2021年4月〜2022年3月:育児休業取得(その間、ビジネス法務検定2級を取得)
    2019年〜2020年:派遣社員として法務業務に従事(正社員登用後、現在に至る)

  • 職務経歴書を「通る書類」に仕上げる4つの視点

  • 最後に、構成だけでなく、「どう見せるか」の視点も確認しましょう。内容は良くても、伝わらなければ意味がありません。

  • ① 読み手を意識する

  • まずは、職務経歴書の「読み手」が誰かを想像してみましょう。法務部門の専門家だけでなく、人事担当者が最初に目を通す場合も多くあります。そのため、誰が読んでも理解しやすい構成とレイアウトが重要です。
     
    【チェックポイント】
    ・誤字脱字・表記ゆれは絶対NG
    ・一目で経歴がわかる構成・レイアウトに
    ・2枚以内に収めると読みやすく、印象も良い
    ・フォント・見出し・余白なども含めて“読みやすさ命”

  • ② 戦略的に「強み」を見せる

  • 自己分析を通じて、自分の経験が応募先にどのようにマッチするかを見極めましょう。そのうえで、書類全体を通じて「この人なら活躍してくれそう」と思わせる構成を意識することが大切です。
     
    【強みの見せ方】
    ■自分の経験スキルと、応募先の業務内容が重なるところが即戦力性=強みになる
    ・例:応募先がM&A案件を扱う→自分のM&A経験を強調
    ・例:応募先が英語契約を多く取り扱う→英文契約レビュー実績を前面に出す
     
    ■応募先の業務内容からはずれる経験スキルは、それで貢献できるのか明文化できるなら、+αの付加価値になる
    ・例:応募先は国内専門だが自分は英語が得意→「単発の英語案件あがれば対応可能」とアピール
     
    ■未経験業務も「キャッチアップできる根拠」を添える
    ・例:「M&A経験はありませんが、過去に未経験だったコンプライアンス体制構築を3か月でキャッチアップした実績があります」

  • ③ 定量情報は絶対に入れる

  • 抽象的な表現ではなく、数字を使って実績を示すことで、説得力が一気に増します。担当した業務の量や比率など、できるだけ定量的に記載しましょう。
     
    ・担当業務の比率(契約60%、法律相談20%、ガバナンス20%)
    ・契約書処理件数(月●件/うち英文●割)
    ・関与した案件数、社内対応部署数など
     
    【記載例の比較】
    <NG例>
    「契約書レビューを担当していました」
     
    <OK例>
    「契約書レビューを月平均30件担当(販売契約60%、業務委託30%、秘密保持10%)。英文契約は全体の2割を占め、平均48時間以内に初回レビューを完了」

  • ④ 実績・エピソードで厚みを出す

  • 「できます」と言うだけでは伝わりません。実際にどのような成果を上げたか、どんなプロセスで達成したかを具体的に示すことが重要です。ストーリーとして語ることで、読み手に強い印象を与えるだけでなく、自分の人間性も伝わります。
     
    ・成功体験や評価されたことを具体的に書く
    ・数字+背景ストーリーで、印象に残る自己PRに
    ・「課題→行動→結果」の流れを意識する
     
    【記載例】
    「社内で契約書レビューの遅延が課題となっていたため、頻出条項のテンプレート化とチェックリスト作成を提案。営業部門向けに事前確認フローを整備した結果、法務への差戻し率が30%削減され、平均処理時間も5日→2日に短縮。経営陣からも『業務効率化の好事例』として評価されました」

  • まとめ|職務経歴書は「書く技術」で印象が変わる

  • 法務職の仕事は、成果が見えづらく、他人に伝わりにくい。でも、だからこそ「書き方ひとつ」で、あなたの価値が際立ちます。
     
    ・どんな経験があり
    ・どんなスキルがあり
    ・応募先でどんな貢献ができるのか
     
    これを的確に伝えるだけで、書類選考の突破率は一気に上がります。
     
    「自分ではうまく言語化できない」「何を強みにすべきかわからない」
     
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