法務スペシャリストの転職 ~面接虎の巻!転職理由の伝え方、志望理由のポイント~|法務・パラリーガル・弁理士・知的財産の転職・求人情報なら「法務求人.jp」

転職ノウハウ

法務スペシャリストの転職 ~面接虎の巻!転職理由の伝え方、志望理由のポイント~

目次
  • 1.そもそもなぜ面接に「準備」が必要なのか?

  • 2.「転職理由」はポジティブに

  • 2-1.未来志向の表現をする

  • 2-2.自分自身の目標につなげる

  • 3.「志望理由」は念入りなリサーチがポイント

  • 3-1.「転職理由」と「志望理由」は一貫性が大切

  • 3-2.念入りなリサーチも重要

  • まとめ ~面接の場では明るく、前向きに~

  • 転職活動時の流れとして、一般的に①応募書類の準備 → ②応募企業の選定 → ③応募(書類選考)→ ④面接(一般的には2~3回) → ⑤内定となります。
    今回は、「面接」についての転職ノウハウを伝授します。「面接」が設定されたら、しっかり準備をして対策を取りましょう。

    「面接」の場で重要なのは、「転職理由」と「志望動機」です。大切なのは、「自分が何を伝えたいか」ではなく、「企業がどのような人材を求めているか」です。自分が「採用したい!」と思う人物像をイメージして、受け答えを準備しましょう。

    それでは、具体的にどのような準備をしたらよいのでしょうか?
    今回は、法務部員として別企業に転職をする方を想定して、実践的な面接対策を紹介します。

  • 1.そもそもなぜ面接に「準備」が必要なのか?

  • 仕事の合間をぬって転職活動をしていると、面接対策の時間が十分に取れないかもしれません。大した準備をしないまま面接に臨んでしまうと、曖昧な発言やマイナスな表現が不意に出てしまい、ネガティブな印象を与えてしまうおそれがあります。

    例えば、面接では必ず転職理由が話題にのぼりますが、本音で素直に語った場合、「給料が低い」「やりがいがない」「上司と合わない」などのマイナスな発言になってしまいます。否定的な表現が多いと、「愚痴が多い人とは一緒に働きたくない」「この人を採用しても、どうせすぐに辞めてしまうだろう」という評価につながります。

    どんなに素晴らしい経歴やスキルを持っていても、ネガティブな印象が強いと、採用の可能性は低くなります。面接の場でネガティブな表現をしないように、また、希望に近い条件(年収など)を引き出すためにも、面接準備を怠らないようにしましょう。具体的には、まずは自身の本音(転職理由や志望理由)をきちんと書き出して、それをポジティブな言葉に変換するのです。

    面接のシナリオを準備しておけば、気持ちにも少し余裕ができ、堂々とした姿勢で面接に臨むことができます。面接対策には時間がかかりますが、きちんと準備をすることによって内定が出る可能性が高まりますので、「急がば回れ」です。

    面接の場で、ほぼ必ず出る質問は、「転職理由」と「志望動機」です。面接対策として、この2つの受け答えはしっかり準備しておきましょう。以下では、この2つの受け答えを考える際のポイントを紹介します。

    尚、面接では、「これまでの経験」を聞かれることもありますが、これは事実をもとに、募集の求人内容にあわせて即戦力性をアピールすると良いでしょう。

  • 2.「転職理由」はポジティブに

  • まず、「転職理由」のポイントを紹介します。

    転職を考えるきっかけは、マイナスな理由が大半です。現職に全く不満が無いのであれば、転職をする必要はありません。採用する企業としても、「何かしら不満があるから、転職を考えているのだろう」ということは理解しています。

    しかし、思っているままに不満を伝えると、ネガティブな印象を与えてしまいます。過去や現職は否定せず、かといって嘘をつかないように、前向きな言葉で語ることが必要です。ポイントは、「ネガティブな理由をどうやってポジティブな言葉に変換するか」です。

  • 2-1.未来志向の表現をする

  • ポジティブな言葉で転職理由を伝えるためには、未来志向の表現をすることです。

    例えば、「連日の残業がしんどいので会社を辞めたい」と言うと、ただの不満になってしまいます。しかし、「効率良く作業を進めて決められた時間内に仕事を切り上げ、空いた時間は資格の勉強に当てるなどして、仕事に活かしたい」と述べると、ポジティブな印象にうつります。

    このように、「過去」の不満を「未来」につなげることにより、ポジティブな転職理由に変えることができます。

  • 2-2.自分自身の目標につなげる

  • 現職に不満があるということは、裏返すと、「こんな仕事がしたい」「こんな環境で働きたい」という理想があるということです。不満と理想をセットにして発言すると、前向きな印象を与えます。

    例えば、現職の給料に不満がある場合、「今の職場では、どんなに頑張っても給料が上がらない」「年功序列なので、何もしない上司が高い給料をもらっている」と述べると、ネガティブな人間にうつってしまいます。しかし、「自分はプレッシャーに強いタイプの人間なので、仕事の評価が給与に反映される会社で働きたい。自分にプレッシャーを与えることで、仕事のモチベーションを高く持ち、会社の利益に貢献したい」と言うと、熱意の高い人物として好印象になります。

    職場の人間関係に悩んでいる場合は、「頼りになる上司がいない」と言うと、ただの悪口になってしまいます。しかし、「現在の職場では個人の裁量が大きく、自分自身の判断で仕事ができるという点ではメリットもある。しかし、より大きな仕事に挑戦するためにも、チームで協力して仕事をする環境に身を置きたい。チームを通して協調性やチームワークを身に付けて、将来的にはマネジメントに携われるようになりたい」と述べると、モチベーションの高さをアピールできます。

    以上のように、転職理由を考えるうえでは、「現在の不満をばねにして、将来どのような目標を達成したいか」というイメージを持つことが大切です。転職回数が複数ある人は、それぞれの転職について前向きな理由を準備しておきましょう。

  • 3.「志望理由」は念入りなリサーチがポイント

  • 転職理由のシナリオができたら、次は「志望理由」を考えましょう。

  • 3-1.「転職理由」と「志望理由」は一貫性が大切

  • 志望理由のポイントは、「転職理由とつなげること」です。転職理由と志望理由をつなげることにより、一貫性を持った人物であると印象づけることができます。先ほど考えた転職理由を叶えるために御社を希望している、という点を強くアピールしましょう。

    面接官は、転職者の経験やスキルを期待する一方で、「会社の社風に合うだろうか」「すぐに辞めてしまうのではないか」ということも気になっています。転職理由と志望理由がつながっていれば、「現職(前職)が合わない理由はわかった。それであれば、この会社で、長く、活躍してくれそう」という評価につながります。

    例えば、転職理由が「より大きな仕事をするためにチームで働きたい」という場合は、志望理由として、「御社の法務部では、海外法務の強化のために国際チームを新設して、一丸となって取り組んでいる。自分も英語スキルを生かしてこのチームに貢献して、将来的には国際ライセンスや海外法人設立などの業務に取り組みたい」と述べてみてはいかがでしょう。企業研究をしたうえで、具体的な言葉で伝えることで、意欲や熱意が伝わります。

  • 3-2.念入りなリサーチも重要

  • 志望理由には、下記の3つのポイントも盛り込みましょう。

    (1)仕事に対する興味
    (2)会社に対する興味
    (3)業界に対する興味

    これらのポイントを押さえるためには、企業研究が必須です。法務部の仕事は、会社によって大きく異なります。企業のホームページやパンフレットをしっかりと読み込み、企業研究や業界研究を行いましょう。経営者のインタビュー記事や、企業の広報誌も、会社の理念を知るうえで重要なツールです。応募する企業が、消費財メーカーやサービス業である場合は、ユーザ向けのサイトやパンフレットにも目を通しておきましょう。

    上記の3つのポイントを考えるうえでは、応募企業における法務部の位置づけを把握しておくことも不可欠です。一言で「法務部」といっても、業務内容は様々です。本質的な企業法務業務は顧問先の法律事務所に任せていて、法務部では定形の契約書チェック(押印)のみを行う場合もあります。会社によっては、特許や不正競争防止法などの知的財産法務も行うこともあれば、内部統制や総会対策などのガバナンス法務を取り扱う場合もあります。求人票を熟読して、どのような仕事に携われるか、どのような法務人材が求められているのかをリサーチしておきましょう。

    リサーチしても具体的なイメージがつかめない場合は、転職エージェントに相談してみましょう。エージェントに相談すると、転職のプロが業界の動向や法務部の位置づけについて具体的なアドバイスをしてくれます。

  • まとめ ~面接の場では明るく、前向きに~

  • 面接の場では、これまでの経歴(職歴、学歴)を振り返りながら、「今ここで面接を受けている理由」につなげることがポイントです。何の準備もせずに面接に挑んでしまうと、想定していなかった質問に対して、つい本音で答えてしまい、ネガティブなイメージを与えてしまうおそれがあります。事前に自己分析を行い、面接対策(準備)をしておけば、余裕を持って面接に挑むことができ、仮に想定していない質問がきても、一貫性を持って、面接で受け答えすることができます。企業研究をし、想定質問にあわせて面接のシナリオを考えておけば、マイナスな表現を回避することができ、前向きなキャラクターであることや意欲があることを印象づけることもできます。

    どうしても前向きな表現が思いつかない場合は、転職エージェントに相談してみましょう。株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社では、法務業界に精通した専任エージェントとして、面接対策のサポートを行っています。ご安心してご相談ください。

    面接は、筆記試験のような正解はなく、面接官が主観的に判断するので、コミュニケーション力次第でいくらでも評価を上げることができます。1人での練習も大事ですが、自分では強みや弱点を確認し難いところもあります。転職エージェントを利用すれば、自分では気づかなかった強みや弱点について、アドバイスがもらえるかもしれません。面接対策についてお悩みの方は、転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。

  • 記事提供ライター

  • 元弁護士 ライター
    東京大学卒業後、2009年に司法試験に合格。弁護士として知的財産業務、企業取引等のビジネス関連の業務を扱う。現在は海外に在住し、法律関連の執筆や講演を行う。

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