元人事担当者のエージェントが語る!-応募書類の基礎の基礎-|法務・パラリーガル・弁理士・知的財産の転職・求人情報なら「法務求人.jp」

転職ノウハウ

元人事担当者のエージェントが語る!-応募書類の基礎の基礎-

目次
  • 1. 履歴書で一番大切なのは「読みやすさ」

  • 2. 証明写真は「身だしなみ」が命

  • 3. 自己PR欄には「この人は会社で活躍してくれそうだ」と思わせるエピソードを

  • 3-1. エピソードは派手なものでなくてもOK

  • 3−2. 「自己アピール」と「志望理由」はリンクさせる

  • 4. 「説得力ある志望理由」には「徹底した企業、事務所研究」が必須

  • 5. 学生時代の成績が悪くてもそれだけで落とされることはない

  • 5-1. 企業は成績よりも人柄を重視する

  • 5-2. 法律事務所は成績を重視する傾向が強い

  • 6. エージェントからのアドバイス

  • 就職活動で最初の壁となるのが、「履歴書やエントリーシートの作成」です。第二新卒の人は、「履歴書と職務経歴書」が必要となります。採用担当者が書類を一読して、「この人と会って話を聞きたい」と思えば、面接が決まります。書類に魅力が無ければ、その段階で終了です。企業側としては、面接を効率化するために書類選考で多くの人を落とさなければいけません。特に、応募者が多数の大手企業は、大多数の人が書類選考で落とされます。

    それでは、書類選考で他人と差をつけるにはどのような工夫をしたら良いのでしょうか?採用担当者はどのような点を見ているのでしょうか?

    今回は、大手企業の人事部で全国各地の新卒・中途採用を担当したキャリアを持つエージェントが、「受かる」書類の書き方を紹介します。「いつも書類選考で落とされてしまう」とお悩みの人や、「これから就職活動を始めるけれど、応募書類の書き方が分からない」という人は、ぜひ参考にしてください。

  • 1. 履歴書で一番大切なのは「読みやすさ」

  • 履歴書は、手書きでもパソコンでも構いません。字に自信が無い人は、無理に手書きにこだわる必要はありません。手書きを指定する企業は今でも残っていますが、反対に、オンラインでの提出に限定して手書きの履歴書を受け付けない企業も出てきています。応募先企業がどのようなスタイルを指定しているのか、前もってチェックしておきましょう。

    履歴書で大事なことは、手書きかパソコンかということではなく、「読みやすさ」です。誤字脱字に十分気をつけて、読みやすい文章を心がけましょう。特に、法務部は契約書などの書類作成を取り扱う部署であるため、「書類の読みやすさ」を厳しくチェックします。履歴書に誤字があると、「自分の履歴書すら書き間違えるのだから、契約書の仕事でもミスが多いだろう」と評価されてしまいます。このため、誤字脱字には細心の注意を払いましょう。

  • 2. 証明写真は「身だしなみ」が命

  • 履歴書やエントリーシートに添付する写真は、プロのカメラマンに撮影してもらうことも可能ですが、スピード写真でも全く問題ありません。どちらでも構いませんので、オンラインでの提出に備えて写真データを手元に残しておきましょう。

    写真撮影のポイントは、「印象管理」です。ネクタイや襟などの身だしなみを整えて、にこやかな表情を作りましょう。歯を出して大きな笑顔を作るのではなく、口角を少しあげて自然な表情でニコリと微笑みます。

    証明写真で意外に多い失敗例が、「髪が乱れている写真」です。髪が乱れていると、清潔感が無く、だらしない印象を与えます。前髪が目元にかかっている人は、それだけで暗い印象を与えます。前髪が長い人は、目元にかからないようにピンで止めるか、横に流しておでこを出しましょう。

  • 3. 自己PR欄には「この人は会社で活躍してくれそうだ」と思わせるエピソードを

  • 応募書類の中で最も重要なのが、自己アピール欄です。学生時代に頑張ったこと、第二新卒の方ならば、現職で短いながらも頑張ったこと、何かを克服した経験や、そのために何をどう工夫したのかについて、自分なりの表現で記載しましょう。

    自己アピールのポイントは、「情景が思い浮かぶような『具体的なエピソード』を盛り込むこと」です。例えば、「部活で活躍しました」「ゼミ長としてグループをまとめました」という抽象的な表現では、あなたの魅力は全く伝わりません。「部活でどのような困難があり、どのように工夫して、どうやって乗り越えたのか」ということや、「ゼミの中でどのようなトラブルがあり、どのような対策を検討して、どうやって解決に導いたのか」ということを、できるだけ具体的に記載しましょう。

  • 3-1. エピソードは派手なものでなくてもOK

  • 自己アピールに記載するエピソードは、派手なエピソードである必要はありません。留学や起業などのエピソードがあればインパクトが大きいことは事実ですが、そのような人材ばかりを企業が求めているわけではありません。

    法務部を志望する人の中には、「学生時代は司法試験の勉強ばかりしていたので、自己アピールになるようなエピソードが無い」と悩んでいる人が少なくありません。しかし、「勉強しかしていない」とネガティブに捉えるのではなく、「思いっきり勉強に打ち込んだ」とポジティブに捉えましょう。勉強方法をどのように工夫したのか、スランプの際にはどのように乗り越えたのか、苦手な科目はどうやって成績を伸ばしたのかなど、自己アピールになる要素はたくさんあります。

    それでも自己アピールの書き方が分からない人は、エージェントに相談してください。エージェントに相談すると、ご自身の経歴に合わせて、1年後・3年後・5年後・10年後のキャリアについてアドバイスをしてくれます。キャリアプランを具体的に描くことができれば、「そのプランに合わせてどのような自己アピールをすれば良いか」が見えてきます。

    お一人で自己アピールについて悩んでいると、解決策が見つからず、マイナス思考に陥ることがあります。前向きな姿勢で自己アピールを考えるためにも、お悩みの人はエージェントに相談してみましょう。

  • 3−2. 「自己アピール」と「志望理由」はリンクさせる

  • 自己アピールは、「どのような社会人(法務部員/弁護士)になりたいのか」が伝わるように書くことがポイントです。まず「ご自身のキャリアビジョン」を構築して、志望理由につながる形で自己アピールを考えましょう。第二新卒の人は、転職後のキャリアプランを構築して、転職理由につながるような自己アピールを考えましょう。

    自己アピールと志望理由(転職理由)がつながっていると、採用担当者が「この人を採用したら、〇〇という点で会社に貢献してくれそうだ」とイメージしやすくなります。このため、書類通過率が高まります。

    自己アピールと志望理由(転職理由)をつなげるためには、一度考えた文章を数社に使い回すのではなく、応募先企業によって臨機応変に書き直すことがベストです。応募先の規模や業種に応じて、自己アピール文を変更しましょう。

    例えば、大手企業の法務部では、チームワークのある人や協調性の高い人が求められます。このため、部活動でチームワークを発揮したエピソードや、病院でのボランティア活動の経験などが好まれます。これに対して、ベンチャー企業では、自分で考えて行動を起こすことができる人や、自走力のある人が好まれるため、何かをゼロから立ち上げたエピソードや、自分自身のアイデアで困難を乗り越えたエピソードなどが好まれる傾向があります。

    もちろん上記はあくまで一般的な例ですのでどのような傾向の企業、事務所なのか、迷った場合はエージェントに相談しましょう。

  • 4. 「説得力ある志望理由」には「徹底した企業、事務所研究」が必須

  • 志望理由を書く際には、まず「応募先の業界や職種、強み、これまでの事業展開、将来のビジョン」などを徹底的に調べましょう。特に、法律事務所やベンチャー企業に応募する場合は、代表者や創設者の理念をしっかりと抑えましょう。法律事務所やベンチャー企業では、代表者が最終決定権を持っていることが多く、最終面接で代表者と対面する可能性があります。このようなとき、代表者の理念を頭に入れているかいないかでは、印象が格段に違います。

    応募先の企業や理念を徹底的に調べたら、ご自身のキャリアビジョンと照らし合わせて、「なぜ志望しているのか」「どうしてその企業でなければダメなのか」を端的に説明しましょう。このとき、「自分は入社(入所)したらどのような活躍をしたいのか」が伝わるように書くことがポイントです。

  • 5. 学生時代の成績が悪くてもそれだけで落とされることはない

  • 多くの企業では、学生時代の成績や司法試験の順位の提出を必須としています。学生時代の成績や順位は、どれぐらい重視されるのでしょうか?

  • 5-1. 企業は成績よりも人柄を重視する

  • 企業の場合は、新卒者の成績はそこまで気にしません。全く見ないわけではありませんが、成績が悪いからといってそれだけで落とされることはあまりありません。

    ただし、弁護士の新卒採用の場合は、現場の法務部員が書類選考を担当することがあるため、法学部・法科大学院での成績や司法試験の順位を気にする傾向があります。とはいえ、「最終選考で2人残った場合には、成績が良い方を採用する」という程度が多く、成績が悪いことだけを理由に書類選考でふるいにかけることはあまりありません。成績が芳しくない人も、自己アピールを工夫すれば内定につながるチャンスがありますので、最初から諦めるのではなくまずはエージェントに相談してください。

  • 5-2. 法律事務所は成績を重視する傾向が強い

  • 法律事務所の場合は、企業よりも成績を重視する傾向があります。特に、企業法務を扱う法律事務所は、必ず成績を確認します。法学部や法科大学院の成績だけでなく、司法試験の合格順位(成績表)も大事な選考要素です。

    しかし、成績が悪いからといって、すぐに諦める必要はありません。全体的な成績が悪くても、応募先企業のメインの分野の成績が良ければ、内定を獲得できるチャンスはあります。例えば、知的財産業務に力を入れている事務所では、知的財産法や会社法の成績が良ければ、内定がもらえることもあります。

    学生時代の成績や司法試験の順位は、今から取り戻すことができません。ご自身の成績が強みとなるのか弱みとなるのかをしっかりと分析したうえで、応募先に合わせた戦略を練ることがポイントです。学生時代の成績でお悩みの人は、エージェントにご相談ください。

  • 6. エージェントからのアドバイス

  • 今回は、新卒・第二新卒の応募書類の書き方について解説しました。履歴書やエントリーシートは、あなたの分身となって魅力を売り込み、採用面接につなげてくれる架け橋です。誤字脱字にはくれぐれも気をつけて、読みやすい文章を心がけましょう。

    「どうして書類で落とされるのかが分からない」という人や、「どこから手を付けたら良いのか分からない」という人は、エージェントに相談してみましょう。エージェントを利用すると、ご自身では気付かなかった強みや弱みを発見できるかもしれません。

    就職、転職活動を成功させるためには、第三者の客観的な視点が重要です。C&Rリーガル・エージェンシー社は、法務分野に特化したエージェントとして、新卒・第二新卒の就職活動について総合的なサポートを行っています。ご利用料金はかかりませんので、いつでもお気軽にご相談ください。

  • 記事提供ライター

  • 元弁護士 ライター
    東京大学卒業後、2009年に司法試験に合格。弁護士として知的財産業務、企業取引等のビジネス関連の業務を扱う。現在は海外に在住し、法律関連の執筆や講演を行う。

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